怒り20.ホロホロ鳥

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オレが18の時、一人でおばあちゃんの家に行って、せっかくだから晩御飯はオレが行きたい所かつ、おばあちゃんが歩いて行けるお店へ行こうってなって、おばあちゃんが提案した店に最近出来たフランス料理店があって、遠慮せずそこへ行くことにした。

そこまで格式張った店じゃなかったんだけど、メニュー見てもよく分からない言葉だらけだったけど、とりあえず目に止まった「ホロホロ鳥のロースト」を頼むことにした。

ちょっとカッコつけた女の店員を呼んで、オレは言った「ホロホロちょうのロースト」と。

そしたら店員が「ホロホロどりのローストですね」と相槌を打ってきた。

オレは無理してフランス料理屋に来ちゃってって思われてるみたいで凄く恥ずかしかった。

そこはもう「ほろほろちょう」で行けよ。もちろん「はい」でも「了解しました」でも良いだろ。何か田舎者をバカにするかの様な訂正はなんなんだよ。

客の言葉の間違いが多く発生しそうなそういう店こそ気を遣え。

しかも後々調べたらオレが合ってんじゃねーかよ。

せっかくのおばあちゃんとの思い出を台無しにしやがってという怒りに関しては、お互い建前だけの付き合いで、好きじゃなかったからないんだわ。


 

 

大村崑

 

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